更新日

給与が低いイメージを持たれる理由

介護報酬額の低さ

介護職の給与が低くなる理由の1つに、介護報酬額の低さが挙げられます。介護職の給与は、介護保険サービスを提供する施設や事業所を対象に国から支払われる介護報酬に左右されます。そのため、介護報酬額が少なければその分従業員の給与に充てられる額も少なくなってしまいます。これは大きな課題であることから、国も処遇改善を推し進めている状況です。そのため、今後は介護報酬額が上がっていくことが予想されます。

介護報酬額の低さ

内部保留の多さ

経営者の内部保留も介護職の給与が低くなる原因として挙げられます。内部保留とは経営者が内部で貯蓄することを指しますが、例えば介護保険制度の変更や何らかのトラブルが発生した際にも施設や事業所は経営を維持していかなければならず、そのためにはある程度の内部保留が必要となります。しかし、内部保留が多過ぎると従業員への還元率は下がるため、給与も低くなってしまいます。なお、内部保留については経営側の役職に就かなければ詳細は分からないので、事前に確認することは困難です。

内部保留の多さ

簡単な仕事と思われがち

介護職は資格が多く専門的な知識や技術を必要とする職業ではありますが、無資格・未経験からでも挑戦できます。身体介護は資格がなければできませんが、簡単な生活援助などの業務もあります。そのため、専門性が低いとみなされ、給与が低いというイメージにつながるようです。しかし、実際には様々な知識や技術を求められる分野です。介護福祉士などの上位資格を取得すれば、高給与を得ることも可能です。とはいえ、医師や看護師などに比べると給与が低いのも事実です。

簡単な仕事と思われがち

実は残業が少ない

介護職は残業が多く休日も少ないといったイメージを持つ人も少なくないでしょう。しかし、全国労働組合総連合が行った実態調査によれば、介護職の残業時間は月平均で8.2時間、正社員でも10.2時間であることが分かっています。全体の32.3%は残業なしと回答しており、残業が5時間未満の人は22.7%です。このデータから、実際にはそれほど残業が発生していないことが分かります。厚生労働省の勤労統計調査(2021年11月時点)では、全産業における残業時間は月平均で10.2時間、正社員に限定すると13.9時間となっています。医療・福祉分野においては全体で4.7時間、正社員で6.5時間です。このように、他分野と比べても介護職は残業が多くないことが分かります。そのため、働きやすい環境ではあるものの、残業代が少ないので給与面のみを考えればデメリットが多くなるようです。

実は残業が少ない